ひらいて を鑑賞して

舞台挨拶の中継があるということでタイミングも良く鑑賞。

 

作間龍斗くんが出演するということで知った作品ではあったけれど興味深い内容で個人的には好き。(感情大荒れだったけど)

 

 

愛、たとえ、美雪それぞれ登場人物は自分中心に全ての行動をしていた。相手を思っているようで、だれかを好きな自分に酔っていて『恋に恋している』『愛してくれる人を探している』状態に感じた。

 

好きな人の気を引きたい、好きな人の好きな人が気になる、その感情の極端な例なのかな。

 

 

話の流れには直接関係ないかもしれないけれど、

同じクラスに好きな人がいて足音だけでも分かる。目線だけで追う。ノートを配る時は好きな人はとりあえず1番後ろに。最後に渡す。ついでに勉強を教えてもらう。細かいディティールが『あまり話した事はないけれど好きな人』に対するもので高校時代を思い出して懐かしくなった。

 

 

 

愛は好きな人の好きな人を奪おうとする。

この作品のような方法で無いにしても、好きな人をどうにか振り向かせようとする同級生には何度も悩まされたので他人事ではないな、と思った。

 

 

高校3年生にしては登場人物の精神年齢、行動が子供じみているように感じてししまったけど

高校生の方が恋人とどこまで進んだ、だとかこの街から出る、という話は出てくるので話の性質上そこは仕方ないのか…と思った

(↑ここは個人的にモヤモヤしてしまっただけ)

 

 

自分自身あのような行動をするなら中学生時代かな、と感じた。好きな人の(私の場合は先輩だった)教室に放課後忍び込んだり、好きな人の彼女が直属の先輩で素敵な人だったので叶わない、敵わない事は分かりつつ、仲良くして少しでも好きな人に近づきたいと必死だった。

あの瞬間は自分の世界が、好きな人のみになる。

周りのことなど考えられない。付き合える勝算がないからこそのめり込んでしまうのでは無いかな、と『ひらいて』と当時の自分を客観視して思う。

 

 

キャラクターに対して思ったこととして

美雪はたとえを大切に思っていて、毎日送る手紙の初めはいつもたとえを心配するものだったことから母性に近いような感情が芽生えつつあるのかなと感じた。美雪は、母が好きと言っていたし家族全員が仲の良い雰囲気。愛されて育っていることが分かる。

人の事が好き。しかし嫌われる事に凄く怯えていてなかなか本音を伝えられない。そのような人物に感じた。

 

友人も少なくたとえともほとんど言葉を交わさない美雪は、愛の積極性に惹かれ、好きだと言われたことで幸せをくれる愛のことを好きになった。初めは圧倒されているだけのようだと思ったが全く拒絶しないことから、『自分を好きでいてくれる人が好き』を思わせる行動に感じた。

自分を愛し、態度で示してくれる人を求めていたと思う。

 

愛の母親が自分中心で娘の朝食をスムージーで済ませ夫に送るシフォンケーキを作っていたシーンが気になった。数日後もお菓子を作っていたがそれを起きてきた愛に食べさせていた。

爪の形が似ていると言っていたが全く似つかない。三者面談での立ち振る舞い等、一見愛のことを愛しているようだが視界に入っていないのではないかと感じた。父親へのメッセージカードも何を書いて良いのか分からない愛。

愛の家族と美雪の家族の違いが『恋愛』に対する2人の立ち振る舞いの違いを産んでいると解釈した。

 

現在の年齢で鑑賞したことで

未成年、思春期の自分勝手でぐちゃぐちゃな感情を懐かしく思えたし、もうあの頃には戻れないんだと少し寂しくもなった作品でした。

 

 

原作も読みたいと思うのでまた追記出来れば。